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大学・短大全入時代到来で2007年入試はどう変わる

来年入試は、“大学・短大全入時代”と予測される中で行われます。このような状況で行われる入試をどう突破していけばいいのでしょうか。全入時代が来るからといって、安心していられるというものではありません。全入時代とは「どこかの大学に入学することができる」という程度のもので、志望校に入学できるかどうかとは別の問題です。ただ、破綻する大学が出てくる可能性が高い以上、志望校選びが難しくなることは間違いないところでしょう。
今、受験生はどのような志望校選びを行っているのでしょうか。
大学通信が全国の進学高校の進路指導教員に実施したアンケート調査結果をもとに2007年入試がどうなるか見ていきます。

2007年 君はどの大学を選ぶべきか<内容案内編>(大学通信発行)より

 
   

受験生はどのような志望校選びを行っているか

2006.6.15

就職情報を重視する志望校選び

就職情報を以前より重視しているかどうかを聞いたところ、「大きく増えた」「少しは増えた」をあわせて81.5%にも上りました。志望校選びが、就職情報抜きには行えない現状が浮かび上がってきます。

どの情報を重視して志望校・志望学部選びを行っているかを聞いたところ、「どんな資格がとれるのか」が8割近く、どの企業に何人就職したかの「就職実績」が51.3%、「就職率」が47.3%と重要度が高くなっています。

この就職への関心の高まりは、景気と連動しています。不況により大学新卒者の就職状況が“氷河期”とまで言われるほど、落ち込んだことに起因しています。「大学は出たけれど」にならないよう、就職情報重視の慎重な志望校選びが、一般的になってきているわけです。

その中でも、資格を取得して就職を有利に進めようという考え方が根強くなっています。各大学は資格取得を目指す学生への手厚い支援体制をとっています。各種講座を設けたり、公務員などの試験対策講座も用意されたりしています。


国家資格と直結した学部・学科の人気が高まる

資格取得の点から見ると、最近は国家資格と直結した学部・学科の人気が高くなっています。

資格系学部・学科の人気傾向が今後も続くと思うかを聞いたところ、「人気が下がる」という回答はわずか0.9%でした。「大きく増える」が42.9%にも達し、来年の入試でも、資格と密接に結びついた学部・学科人気は、ますます伸びると思われます。

昨年の入試でも、医学部を筆頭に、薬、看護、医療技術系など、国家資格に直結した学部学科の人気が高くなりました。医療技術系とは、近年、大学に数多く設置されるようになった理学療法士や作業療法士、診療放射線技師などの国家資格取得を目指す学科の総称です。これらの学部・学科の人気は、昨年以上になると予測されます。

人気学部ランキング トップは薬学部

この傾向は、人気学部ランキングに、はっきりと出ています。上位にいくつも資格系学部が入っています。

しかし、トップの薬学部は、今年から薬剤師国家試験受験資格を取得するための修業年限が、4年から6年に延びました。そのため、大手予備校の予測では、2から3割志願者が減ると予測されています。

また、昨年実施の同じ調査でも、薬学部はトップでしたが、今年は昨年に比べて16.4ポイントも人気指数が下がっています。昨年は、7割を超える人気ぶりでした。

薬学部は女子に人気の学部ですが、その女子に敬遠傾向が出ているようです。

他の医療系の資格直結型学部を昨年と比べると、5位の看護が6.6ポイント、18位の獣医が7.1ポイントダウンし、逆にトップの医療技術系が5.7ポイント、4位の医が5.6ポイントアップしています。同じ医療系で、明暗が分かれました。

3位の法学系は、昨年入試で全体として9.4%減、少子化による受験生数の減少を越える大幅な減少だった。しかし、アンケートの結果を見る限り、進学校では堅調な人気がうかがえます。

法曹への道が、司法試験一発勝負から、法科大学院進学に変わり、合格率も司法試験一発勝負の時よりアップすると見られ、以前に比べて広き門となったことが理由だと思われます。

6位の教育系も一時の人気ダウン傾向から復活してきた学部のひとつです。“団塊の世代”の定年退職により、教員の不足が起こり、採用枠を拡大する地方自治体が増えているからです。

教員養成系は国立大に数多く設置されており、人気復活は“国公立大人気”の下支えになっています。

ただ、進路指導担当教員からは、この人気を不安資する意見もありました。

「近年になく小学校教員の志望が増え、小学校課程のある大学への受験者が増加している。教員の大量定年がクローズアップされているからだろうが、決して教員の道が大幅に易化するとは考えられず、生徒の動向を心配している。」

7位の心理系は一時の人気にかげりがではじめています。多くの大学に設置されたため、以前に比べれば、厳しい入試が緩和されてきたせいでしょうか。臨床心理士を目指すのであれば、大学院進学を視野に入れておく必要があります。


商、経済、経営系の人気上昇

一方、今年の入試の大きな特徴として、商、経済、経営系の人気上昇が挙げられます。下位ですが、昨年より商学系が5.7、経済系が9.7、経営系が4.0ポイント、人気指数がアップしています。なかでも経済系の伸びが著しくなっています。

この系統は、80年代後半から90年代初めまで、もっとも人気がありました。ところが、景気低迷に歩調をあわせ、それ以降、志願者が減り続けてきたのです。それがここへきて、流れが変わりつつあるようです。

理由のひとつが、同じ社会科学系の法学部が、法科大学院設置により、法曹イメージが強くなり、法曹を目指さない社会科学系志望の受験生の受け皿となってきていることです。また、昨年はニッポン放送、TBS、阪神電鉄など株の買占め問題が話題になり、経済への関心が高まったことも影響していると思われます。ただ、不祥事も起きており、マイナス要因もあります。

逆に、経済学部に次いで延べ志願者が多く、昨年はおよそ35万人余りの志願者だった文学部は、ベスト20にも入っていません。就職が見えにくい学部・学科の人気は下がっており、将来がわかりやすい資格、実学系の学部の人気が高くなっています。景気は回復基調にあり、就職状況が好転すれば、今後は変わる可能性もあります。これからの狙い目になりそうです。

【人気学部ランキング】
1位 医療技術系・薬 55.0%
3位 法学系 51.3%
4位 医 48.3%
5位 看護 43.7%
6位 教育系 42.0%
7位 心理系 40.8%
8位 経済系 36.6%
9位 外国語 31.9%
10位 工学系 29.4%
11位 国際系 25.6%
12位 社会福祉 21.4%
13位 経営系 20.6%
14位 バイオ系 14.3%
15位 家政・生活科学系 13.9%
16位 商学系 13.4%
17位 理学系 11.3%
18位 獣医・情報系 10.5%
20位 農学系 10.1%


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