なぜ、“大学・短大全入時代”が到来するのでしょうか。それは、少子化に大きな原因があります。18歳人口のピークは1992年の205万人で、それ以降ずっと減少し、皆さんが受験する2007年には、130万人、ピーク時に比べて37%も減少します。
入試についても、1992年の受験生が最も多く、121.5万人で、2005年には79.8万人に減り、この間に34.3%も減少しています。入学者数を見ますと、1992年に79.6万人だったのが2005年には70.3万人に減っていますが、減少率は11.7%に過ぎません。志願者数が34.3%減なのに比べ、入学者数は11.7%減にとどまっているため、大学・短大には入りやすい状況が続いています。入学者も志願者数同様34.3%減ですと、1992年と同じ厳しい入試になっていたわけです。倍率(志願者数÷合格者数)で見ても、1992年が1.53倍だったのが、2005年には1.13倍に下がり、入りやすくなっていることが分かります。1992年の大学・短大入学者総数が今の志願者数とほぼ同じです。
なぜ、入学者数がそれほど減っていないのか、と言いますと、既設の大学が定員減を図る一方で、この間に多くの大学が設置されたからです。1992年当時は大学523校、短大591校の計1,114校だったのですが、2005年には大学726校、短大480校の計1206校に増加しています。短大は減少していますが、大学の数は203校、38.8%増えています。この間、国公立大の統合・再編が行われ、大学数が減少していることを考えると、新設大学の数はさらに増えたことになります。
今後、少子化が進む一方で、新設大学の増加などにより、入学定員枠はそれほど減らないことから、予測より早い2007年に、大学・短大全有時代が到来することになりました。
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