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大学・短大進学率が過去最高の51.5%を記録する中、各大学では学部改組・再編による改革が急ピッチで進められている。その中で生き残る大学はどこか?大学・学部新増設の最新情報をお届けする。

 
   

注目の新設学部・学科はここだ

2006.2.2

第2次ベビーブーム以降、先の見えない少子化が加速する中、各大学では生き残りかけた組織改編を急ピッチで進めている。

文部科学省のまとめによると、大学院を含めた設置認可申請と設置届出の件数は、99年度の183件から、05年度には304件(認可申請134件、届出170件=国立大除く)に増加している。こうした大規模な組織改編の動きを可能にしているのが、高等教育システムの「自由化・弾力化」だ。

これまで、公私立大学が学部などを改組・新設するには文科相の認可が必要だった。大学の教育研究の「質」を、社会に保証するにはやむを得ない措置、と言えなくもないが、激変する世界に即応した機動的な組織づくりを進めていく上で、大きなネックとなっていた面も否めない。

こうした中、02年11月、中央教育審議会の答申を受けて、学校教育法の一部が改正された。授与する学位の種類や分野の変更を伴わないケースについては、学部・学科の設置は文科省への届出で足りることになったのだ。

医療・看護系学部で新設ラッシュ

文部科学省が8月に発表した「平成17年度学校基本調査速報」によると、05年春の大学・短大進学率は、過去最高の51.5%と初めて5割を超えた。ただし、このうち短大への進学率は7.3%に過ぎず、前年度より0.2ポイント減少している。

ここで、次ページの表「大学数・短大数の推移」を見ていただきたい。これは、1960年から2005年までの大学・短大数の推移をまとめたものだ。戦後、学制改革に伴い登場した短大は、70年代前半に爆発的にその数を増やし、女子を中心にその数を増やし、女子を中心にわが国の大学・短大の進学率を大幅に押し上げるのに大きな役割を果たした。

しかし、女子の高学歴化が進むにつれ、皮肉にも受験生の進学志向は、四年制大学へとシフトしていく。第2次ベビーブームの終焉とともに、短大を廃止し四年制大学へと改組・転換する“スクラップ・アンド・ビルド”の動きが始まり、学校数では98年には大学が短大を上回り、05年には92の短大が募集を停止した。
こうした中、来年も多くの新設大学・学部が登場するが、その顔ぶれを見ると、医療、看護系学部でほとんどが占められていることが分かる。

少子高齢時代を迎え、質の高い医療人の育成が求められる中、文科省では03年7月に「看護学教育のあり方に関する検討会」を発足。04年3月には、大学卒業時の到達目標などを示した報告書がとりまとめられた。

どう報告書の中でも、大卒看護職者の増加が予測されているが、さらに来年に向けては、理学療法士や作業療法士、臨床検査技師などのコメディカルスタッフ(医療従事者)を育成する大学・学部の新設ラッシュが目立っている。

これらの系統は社会的ニーズが高く、人材も不足しており、就職が好調だ、そのため受験生の人気が集まり、倍率、難易度も高く、厳しい入試となっている。来年も多くの大学に設置され定員増となるが、まだまだ難関の系統と言える。

専門スキルを磨く学部・学科に注目

前出の「学校基本調査報告」によると、大学入学者のうち出身高校と同一県内の大学に入学した学生の割合が40.1%と、前年度より0.4ポイント上昇している。

大学間競争において、地方の大学は厳しい状況に置かれていると言われるが、その一方で、地元志向にこだわる受験生や家庭も増えている。コミュニティー関連や地域政策などの新しい学問分野に関する学部が全国的に現れているのは、こうした動きと無関係ではないだろう。

一方で、07年以降に団塊世代(1947〜49年生まれ)の労働者層が順次定年を迎えることが見込まれるため、全国的な現象として、大卒の雇用状況が今後好転していくことが予測されている。
ただし、近年の企業や各種団体における採用計画を見ると、バブル崩壊以降「量」より「質」の確保を重視する姿勢が当たり前となっている。つまり、どの大学を出たかという「学校歴」ではなく、どんな個性や人間性を備えているのかが問われる時代になっているのだ。

そこで、求められているのは、専門的なスキルに加え、さまざまな状況に対応できる問題解決能力や判断力といった、広い意味での「キャリア」に他ならない。

こうした中、今春、「開学以来の大変革」に挑むのが立教大だ。実験や映像制作、ダンスなどのワークショップ型授業を取り入れ、心と身体と映像の三つをテーマに人間を探求する現代心理学部を武蔵野新座キャンパスに開設。さらに、池袋キャンパスには経営学部を新設する。国際経営学科では、専門科目の3分の2を英語で開講するなど、「英語の立教」の名にふさわしいカリキュラムを予定している。

理系学部について見ると、工学院大が既存の工学部を大幅改組する。コンピュータ科学科と情報デザイン学科からなる情報学部と、豊富な語学教育や産学連携型教育ECPを特徴とするグローバルエンジニアリング学部を新設し、新生・工学部1・2部と併せて4学部構成に生まれ変わる予定だ。

関西圏では、立命館大が経済学部に国際経済学科を、経営学部に国際経営学科を新設。専門教育と連携した国際教育により、世界を舞台に活躍できるビジネスパーソンの育成を目指す。

なお、本誌でも特集しているとおり、来春から薬剤師を養成する薬学教育については6年制で行うことになる。これに伴い、薬学部は国公私立大とも大幅に改組されることになるため、受験生は注意が必要だ。

クリエーター養成の専門職大学院が登場

最後に大学院に目を転ずると、来春は構造改革特区法による学校設置会社立の大学院大学が6校登場する。

政治・経済、文化のグローバル化により、国際競争時代を迎えた今日、知的基盤社会を牽引する人材を育成する大学院の整備・拡張が進められている。大学審議会の答申「大学院の量的整備について」を受け、すでに90年代以降、大学院の新設や入学定員増などの施策が講じられており、現在24万人を超える院生が大学院で学んでいる。

加えて、法科大学院をはじめとする専門職大学院制度もスタート。希望する将来の職種によっては、理系だけでなく、文系学生も大学院進学を念頭に置いた学部遊びをする時代に突入したと言っても過言ではない。

ここで、来年開設を予定している専攻分野について見てみると、会計、経営学などビジネス関連のほか、教職、翻訳、デジタルアニメーションなど多彩な分野が並んでいる。

このほか、専門職大学院の分野では、映画プロデュースやファッションビジネス、デジタルアニメーションなど、クリエーター養成を目的とした新たなジャンルを登場しており、動向が注目されるところだ。

<注目の新学部・学科>

東洋大学
●ライフデザイン学部人間環境デザイン学科(仮称・設置認可申請中)●経営学部会計ファイナンス学科(設置認可届出済)

神奈川大学
●人間科学部人間科学科●外国語学部国際文化交流学科●理学部総合理学プログラム●経済学部現代ビジネス学科(名称変更)●工学部電子情報フロンティア学科(名称変更)○物質生命科学科(名称変更)○情報システム創成学科(名称変更)

神奈川工科大学
●工学部自動車システム開発工学科○ロボット・メカトロニクス学科○応用バイオ化学科○電気電子情報工学科(名称変更)

龍谷大学
●経済学部現代経済学科○国際経済学科(学科改組)

国際医療福祉大学
●小田原保健医療学部看護学科○理学療法学科○作業療法学科(平成18年4月開設予定)

流通経済大学
●スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科(設置認可申請中)

城西国際大学
●観光学部ウェルネスツーリズム学科(2006年4月開設)

桜美林大学
●健康福祉学群(設置認可申請中)
●ビジネスマネジメント学群(設置認可申請中)

文京学院大学
●保健医療技術学部○理学療法学科○作業療法学科○臨床検査学科(設置認可申請中)

広島工業大学
●情報学部(新設)情報工学科○知的情報システム学科○健康情報学科●工学部(改編)電子・光システム工学科○電気・デジタルシステム工学科○機械システム工学科○知的機械工学科○都市建設工学科○建築工学科●環境学部(改編)○環境デザイン学科○地域環境学科○地球環境学科  (新増設)

長崎国際大学
●薬学部○薬学科(設置認可申請中)

常磐大学
●コミュニティ振興学部○地域政策学科(2006年4が宇開設)

千葉工業大学
●工学部○未来ロボティクス学科(認可申請中)

工学院大学
●情報学部○コンピュータ化学科○情報デザイン学科●グローバルエンジニアリング学部○機械創造工学科●工学部○電気システム工学科○情報通信工学科(2006年4月開設予定)

玉川大学
●文学部○比較文化学科●芸術学部○メディア・アーツ学科(2006年4月開設)

帝塚山学院大学
●人間文化学部○食物栄養学科(管理栄養士課程*)
*厚生労働省に管理栄養士養成施設の指定申請準備中(2005年9月現在)

帝塚山大学
●法政策学部○ビジネス法学科○公共政策学科●現代生活学部○食物栄養学科管理栄養士養成課程(設置認可申請中)

東京医療保健大学
●医療保健学部○看護学科○医療栄養学科○医療情報学科

東京工科大学
●メディア学部●バイオニクス学部●コンピュータサイエンス学部

東京富士大学
●経営学部○ビジネス学科(昼間主コース/夜間主コース)

(大学通信)


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