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東大は言わずと知れた最難関大学ですが、東大に勝るとも劣らない難関大があるのをご存じでしょうか。国公立大医学部です。ところが、この両者の難易度はほぼ変わらなくても、高校は医学部派東大派に色分けされています。その分かれ目はどこにあるのでしょうか。

 
   

医学部に強い高校・東大に強い高校
−国公立大医学部と東大・京大理系のどっちに強い?−

2005.8.17


東大は言わずと知れた最難関大学ですが、東大に勝るとも劣らない難関大があるのをご存じでしょうか。国公立大医学部です。ところが、この両者の難易度はほぼ変わらなくても、高校は医学部派東大派に色分けされています。その分かれ目はどこにあるのでしょうか。

「東大を目指せば合格する力はあるのに、国公立医学部志望者が増えて、東大合格者数が増えなくなってきました」と話すのは、東大合格者ランキング上位の高校の進路指導教諭です。

 それほど、今、医学部は人気です。特に東大に合格者が多い高校に、共通して見られる現象です。今、東大上位校では、文系・理系のクラス分けで、圧倒的に理系クラスを選ぶ生徒が増えています。5クラスあれば、4クラスが理系というのも珍しくありません。なぜ、理系人気なのか、その理由は医学部人気にあるとまで言われています。

なぜ、それほど医学部人気なのでしょうか。ひとつには、東大・理系に進学しても、大学院まで進むのは当たり前で、そうなりますと医学部の6年間、大学に通うのと同じです。就職についても、個人の力が問われ、東大ブランドが通用する時代ではなくなったこと、東大の理系と国公立大医学部の難易度は大きく変わらず、あえて、東大に行くことはないなどの考えによるようです。また、患者と日々接する臨床医というよりは、生命科学分野の研究医を目指す人が多いのも特徴です。

これを見ますと、東大、京大と並ぶ最難関の国公立大医学部は、高校の実力を測る第3の指標となり得ると言っていいでしょう。

占有率では灘、ラ・サール、久留米大付設の順

 卒業生に対する、国公立大医学部医学科合格者の占有率のランキングを見ますと、私立校の強さが際だっています。ベスト20を見ますと、私立が19校で、国立が1校、すべて中高6カ年一貫校です。

 トップの灘(兵庫)は、国公立大医学部に27.23%の占有率ですが、東大・京大の理系学部の占有率も30.52%と高い合格率になっています。医学部、東大・京大、どちらにも強いことが分かります。これを合計すると、占有率が57.75%になり、卒業生の半分以上が、国公立大医学部か東大・京大の理系進学者ということになります。

 2位のラ・サール(鹿児島)は、医学部が22.73%ですが、東大・京大が14.55%で、明らかに医学部志向の方が強いことが見て取れます。今年、ラ・サールは32年間東大ランキングベスト10に君臨してきましたが、ついにその座から転落し、11位となりました。その理由は、医学部志向が強かったことにあるようです。

 4位の北嶺(北海道)は、医学部20.35%に対し、東大・京大の占有率は1.77%と、明らかに医学部に強い高校といえます。東大や京大のランキングには出てきませんが、隠れた超進学校といえるかもしれません。

 同じように、医学部の占有率が東大・京大の占有率を10ポイント以上、上回り、極端な医学部志向の高校は、5位の青雲(長崎 19.50%と6.22%)、10位の東海(愛知 18.49%と5.73%)、12位の金蘭千里(大阪 17.36%と3.47%)、15位の志學館高等部(鹿児島 16.33%と1.02%)です。

 この医学部に強い高校は、地方に多いのが特徴です。やはり東大が地元になく、地元の国立大理系学部に比べると、医学部の方がはるかに魅力的で、難易度も高いからだと思われます。地方だと、めぼしい地場産業もなく、就職のことを考えれば、医師を目指す優秀な受験生が多いとも言えます。また、少子化により東大に進学し東京でひとり暮らしをさせるより、地元の国公立大医学部に進学してもらって、子どもを手元においておきたい親の心理も影響していると思われます。

合格者数では東海、開成、灘の順

 一方、首都圏の高校はどうでしょうか。15位の桜蔭がトップです。東大ランキング同様、女子高として全国トップです。医学部16.03%に対して、東大・京大14.77%で、やや医学部志向が強くなっています。

 開成(東京)は16位で、医学部15.27%に対して東大・京大が23.92%と、東大・京大志向の方がやや強くなっています。23年連続東大合格者数日本一ですから、この結果は当然かも知れません。

 ただ、開成の国公立大医学部合格者数は60人で、トップの東海の71人に次いで2位。3位は灘の58人です。合格者数で見れば、国公立大医学部に強い高校といえます。

 この2校、私立中入試では、今や御三家ではなく、“ひとり勝ち”と言われる、開成と桜蔭が、医学部合格でも首都圏ベスト2となっています。

20位の栄光学園(神奈川)は医学部12.36%に対して、東大・京大が15.73%と、やや東大志向が強くなっています。同様の傾向は、29位の学芸大付、38位の麻布(東京)、45位の武蔵(東京)でも見られます。

 27位のお茶の水女子大付(東京)は医学部10.26%に対して、東大2.56%と極端な医学部志向です。桜蔭も医学部志向が優勢でしたが、やはり女子ということも影響しているのかもしれません。不況による就職の厳しさから、資格取得という考え方が受験生に広がっています。特に女子の就職の方が厳しいこともあり、大学入試においては、医学部はもちろんのこと、薬学部、看護学部など、資格を取得して就職を有利にという考え方が強くなっているためでしょう。

東大志向強い筑波大付駒場、駒場東邦

 逆に東大志向が圧倒的に強いのが、50位の駒場東邦(東京 6.96%と16.09%)と66位の筑波大付駒場(東京 5.59%と29.19%)です。筑波大付駒場は23.6ポイントも東大志向の方が強く、トップの強さです。

 この現象は、手に届くレベルの医学部が地元にあるかどうかの差とも見られます。東京ですと、東大、東京医科歯科大しかなく、いずれも難関です。それに比べ、地方によりますが、例えば、北海道なら北海道大は別格として、札幌医大や旭川医大、関西圏でも奈良県立医大や和歌山県立医大など、比較的入りやすい医学部があります。しかし、関東圏では入りやすい国公立大医学部が、横浜市立大くらいしかないため、東大志向が強いと見られます。

 高校が置かれた環境が、医学部に強い高校になるのか、東大に強い高校になるのかの分岐点だといえます。

 次に都立高校を見てみましょう。109位の西がトップで、110位に八王子東で、私立トップ校とかなり差があります。2006年から京都大、大阪大の医学部で、生物を入試科目に加え、理科3科目の入試が始まります。現状の物理、化学だけの入試科目では、生物の知識が欠如した学生が入学してくることがあり、大学が対応に苦慮していました。理科3科目時代に突入しますと、果たして公立校で、この対策をとることができるのか、柔軟に動ける私立校がますます優位に立つのではないか、気になるところです。

卒業生に対する国公立大医学部医学科合格者の占有率のランキングベスト10
順位
高校名
所在地
卒業生数
国公立大・医学部・医学科
東大・京大理系
合格者占有率
合格者計
東京大
京都大
北海道大
東北大
名古屋大
大阪大
九州大
東京医科歯科大
千葉大
その他
合格者占有率
合格者計
東京大理1+理2
京都大理+工
◎灘 兵庫
213
27.23
58
15
15
 
 
 
13
2
 
 
13
30.52
65
52
13
◎ラ・サール 鹿児島
220
22.73
50
2
1
1
2
 
2
11
 
1
30
14.55
32
27
5
◎久留米大附設 福岡
203
21.18
43
3
 
1
 
1
1
17
 
 
20
11.33
23
18
5
◎北嶺 北海道
113
20.35
23
3
 
4
 
 
 
 
 
 
16
1.77
2
2
0
◎青雲 長崎
241
19.50
47
 
1
 
 
 
 
4
 
 
42
6.22
15
14
1
◎広島学院 広島
183
19.13
35
1
1
 
2
 
1
1
 
 
29
12.02
22
18
4
◎白陵 兵庫
184
19.02
35
1
1
2
1
 
2
 
 
 
28
15.22
28
18
10
※金沢大付 石川
123
18.70
23
 
 
 
1
1
 
 
 
 
21
8.94
11
10
1
◎東海 愛知
384
18.49
71
3
3
1
2
18
1
 
 
 
43
5.73
22
13
9
10
◎愛光 愛媛
240
17.92
43
1
1
1
1
2
1
3
 
 
33
8.75
21
12
9

※データは2004年度大学入試結果をもとにしています。
(大学通信2005年度私立中高受験年鑑より)


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