内閣府は3日、「低年齢少年の生活と意識に関する調査」の結果を発表した。それによると、父親の4人に一人が子どもとの触れあう機会がなく、母親にも同様な事態が起きていることがわかった。
友達付き合いや勉強などで頭を悩ませている子供たちが増えている一方で、それを見過ごしている父親が3分の2にも達し、「家族内でのコミュニケーション不足」を顕著に露呈している。
昨年3月に行われた内閣府の調査で、全国の小学4年〜中学3年生、2143人を対象に面接を行った。その際に保護者にも同様の調査をし、2734人が回答した。
その調査によると、平日に子どもと触れあう時間は「ほとんどない」「15分くらい」「30分くらい」と答えた父親が60%だった。これは前回の調査(00年)と比べるとほぼ同様の数値だが、このうち「ほとんどない」と答えた父親が23%と前回に比べて9ポイント増えている。一方、母親は、「30分くらい」以下の答えが24%で前回よりも6ポイント増えており、このうち「ほとんどない」の回答が前回より2ポイント増の4%だった。子どもが抱え込んでいる悩みなどを「知らない」と答えた保護者は、父親は67%で、母親は34%であった。
子どもに対して悩みや心配事があるかどうか聞いたところ、全体の58%の子どもがあると答えた。また前回の95年の調査と今回の調査の両方に参加した中学生に聞くと、15ポイント増の71%だった。子供たちが抱えている悩みや相談事の内容は、「勉学や進学」61%、「友人関係」20%、「性格」19%、「お金」16%など。
ここ半年間で友人をいじめたことがあるかどうかと聞いたところ、小学生の6%、中学生の3%が「ある」と答えた。また逆にいじめられた経験があると答えた小学生は、12%、中学生では、5%。
今回の調査で「日々追われている両親の仕事が、子どもとのコミュニケーション不足を浮き彫りにさせているのではないか」と内閣府の担当者は見ている。
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