国立教育政策研究所は7月27日、02年11月に40年ぶりに行われた高校生の全国一斉学力テストにおける科目別分析調査報告書を公表した。同報告によれば、実施された4教科(国語、数学、理科、英語)テストのうち、数学と理科の苦手傾向がはっきりと現れた。
国立教育政策研究所が今回まとめた報告書は、全国の高校3年生の約8%にあたる10万5000人を対象として行われた学力テストの調査結果で、今年1月の中間報告では数学と理科に対する理解不足が指摘されていた。今回の報告書では、国語と英語に比べ、数学と理科に苦手傾向があることがより鮮明になった。
各教科における概要は以下の通り。
国語 自分の考えを書いたり、文章の要旨を読み取ることは身に付いている。
手紙文の「拝啓」を書かせる問題の通過率が低い。
数学 順列や組み合わせなどを扱った問題に対しては、無解答率が低い。
三角比の記号の意味や二次関数の式とグラフの関係についての理解が不十分。
理科 記述式の問題で無解答率が高い。
基礎的事項や概念のうちの一部(原子を構成している粒子など)で理解が不十分。
英語 英語を聞いて理解できる一方、話しかけに適切に応答できない。
短い文は書けるが、一貫したまとまりのある文章を書く力が不十分。
同報告書は、今後の指導方法の改善点として、実生活と結びついた指導方法や、コンピューター、新聞記事などを用いた授業などの必要性を説いている。
また、昨年度11月に実施された地理・歴史、公民については現在分析中とのこと。
より詳しい報告書の内容については、国立教育政策研究所のホームページ、http://www.nier.go.jpまで。
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